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さらば、わが愛 覇王別姫 : ウィキペディア日本語版
さらば、わが愛/覇王別姫[さらば]

さらば、わが愛/覇王別姫』(さらば、わがあい/はおうべっき、: 覇王別姫)は、1993年の香港中国の合作映画である。日中戦争文化大革命などを背景として時代に翻弄される京劇役者の小楼や蝶衣の目を通して近代中国の50年を描く。原作は李碧華(リー・ピクワー)の同名小説。
「覇王別姫」とは、劇中に登場する四面楚歌で有名な項羽虞美人を描いた京劇作品。1993年第46回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。2008年に日本で舞台化された。
== あらすじ ==
1930年代の中国・北京。楼閣の女郎(娼婦)の私生児である小豆子は、京劇俳優養成所に連れられる。多指症故に入門を断られるが、実母に指を切断され、捨てられるようにして預けられる。厳しい稽古と折檻の日々で、娼婦の子といじめられる小豆子をことあるごとに助けてくれたのは、先輩の石頭。やがて小豆子は、石頭に同性愛的な思慕を抱くようになる。ある時、小豆は仲間の小癩と共に脱走を図るが、折しも天下の名優が北京を訪れている日だった。名優は歓呼と熱狂に迎えられ、そして名声通りの素晴らしい舞台を繰り広げる。小豆は覇王(項羽)に心奪われ涙を流す。二人は結局養成所へ戻るが、そこでは脱走を見逃した罪を問われ、仲間たちが激しい折檻を受けていた。小豆は黙って罰を受けるが、その過酷さを目の当たりにした小癩は自殺する。覇王別姫は、少年だった小豆に強い印象を残すのだった。
成長した2人は、それぞれ程蝶衣(小豆子)と段小楼(石頭)という芸名を名乗り、『覇王別姫』 で共演しトップスターになる。だが、蝶衣の秀麗な舞台姿に魅せられた一座のパトロンは彼の身体を求める。犯される宿命を受け入れた蝶衣は、捨て子の小四を拾い養成所に預ける。
小楼はやがて女郎の菊仙と結婚する。菊仙は置屋の女主人から、女郎は幸せになれないと罵られるが、幸福を手に入れるべく過去と決別する。蝶衣は菊仙に激しい敵意を抱き、同性愛者である京劇界の重鎮・袁四爺の庇護を求め、小楼との共演を拒絶する。日中戦争が激化した1937年、北京は日本軍の占領下となる。蝶衣の姿は日本軍の将校を魅了したが、小楼は軍人への態度から捕えられる。菊仙は蝶衣に小楼との離別を条件に、将校に取り入るよう頼み、蝶衣は将校らの前で『牡丹亭』を舞う。菊仙は小楼とは別れず、二人で蝶衣から離れ堅気の生活を送るが、小楼は堕落して闘蟋(コオロギ相撲)賭博に熱中し、舞台衣装も売り払う羽目になる。一方の蝶衣も、アヘンに溺れていく。二人は養成所を訪れ、かつての師匠と再会し叱咤されたことで、舞台への復帰を決意する。ほどなく師匠は急死し、一座は解散となるが、小四だけは行き場所が無く、自らに師匠に言われたままの折檻を課していた。小四にかつての自分の姿を重ね、蝶衣は彼を弟子にする。
やがて日本は敗戦、北京には中華民国軍(国民党軍)の兵士たちが入城する。彼らの観劇の態度は日本軍に劣るものであり、それに怒った小楼ら舞台関係者と兵士の乱闘となり、混乱の中で菊仙は流産してしまう。戦後は、漢奸裁判が行われ、蝶衣も裁判にかけられる。小楼は袁に頼み、有利な証言をさせるが、蝶衣は「日本人は自分の体に指一本触れなかった」と話し、自ら不利な立場に立つのだった。蝶衣のアヘン中毒は悪化の一途をたどり、小楼の支えで立ち直る。
しかし、舞台に戻った蝶衣の前には、共産党思想が立ちはだかっていた。菊仙は新体制に不安を感じ、いつになく小楼に甘える。夫婦の愛の営みを、たまたま居合わせた蝶衣は黙って垣間見るだけだった。一方、新思想に順応した小四は、蝶衣と決別し、文化大革命を背景に彼を陥れてトップスターの座を手に入れる。堕落の象徴として京劇は弾圧され、蝶衣と小楼も自己批判を強要される。恥辱の中で、互いへの愛憎と裏切りの連鎖の果てに罵り合い、菊仙も巻き込まれる。小楼は女郎だった過去を露呈され、さらには離縁すると言い出す。騒乱のはてに、菊仙は自殺する。小四は蝶衣のものだった舞台用の宝飾品を眺めて悦に浸るが、彼もまた毛沢東主義者たちに取り囲まれていた。
それから11年、四人組の失脚を受けて、ようやく二人が共演できる日が戻ってきた。リハーサルの中、立ち回りに衰えを感じる小楼に対し、時を感じさせぬ美貌を保った蝶衣は優雅に微笑み、そして幼い頃と同じセリフの間違いをする。蝶衣はおもむろに小楼の剣を抜き、劇中の虞美人同様に自害し、自らの人生と愛に幕を下ろす。振り返った小楼は驚くが、最後に小さく「小豆」と呼びかけるのだった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Farewell My Concubine (film) 」があります。



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